喪中と忌中、初詣に行けないのはどっち?神社とお寺ではどう違う?

■記事内に広告を含む場合があります。

「喪中だから初詣に行けない」という話をよく聞かれると思います。

でも実はこれ、正確じゃありません。

初詣に行けないのは、『喪中』ではなくて『忌中』の間だけなんです。

この記事では、身内の方が亡くなってから初詣に行けないのはいつまでなのか?についてお伝えしたいと思います。

身内が亡くなってから初詣に行けない期間は「忌中」の間だけ

初詣に行ってはいけないのは、『喪中』ではなく『忌中』の間だけです。

『忌中』というのは、故人が亡くなってから最大で50日間の期間です。

実際の日数は、故人との関係や家でお葬式を出したか、また神社によっても変わってくるのですが、最大で50日、仏教で言うところの四十九日までです。

一方で『喪中』というのは、故人が亡くなってから約1年間です。こちらは喪中はがきなどで一般的に知られていると思います。

喪中の中でも忌が明けたあとならば初詣に行くことができるのです。

スポンサードリンク

「神社の鳥居をくぐってはいけない」とは境内に入らない、ってこと

「喪中は初詣に行ってはいけない」というのに似たことで、

「身内が亡くなってからしばらくは神社の鳥居をくぐってはいけない」

というのもあります。

これは同じことを言っていて、『身内が亡くなってから忌が明けるまで(忌中の期間)は神社の境内に入ってはいけない』ってことなのです。

決して「鳥居の外側を通れば神社に入っていい」ってことではありません。

忌が明けるまでの間は、初詣に行くこと以前に神社の境内に入ること自体がダメだと言われているわけです。

神道では「死」は穢れと考えられている

神社には神様が祀られていますが、神道では「死」は穢れだと考えられています。死の穢れは、故人だけでなく遺族にもあります。

そして穢れがある間は、神様と接すことを控えなければいけないのです。

この死の穢れがある期間が『忌』の期間、つまり忌中なんです。忌が明けたら穢れもなくなっているので、神様に接することができ、神社にお参りすることができるのです。

ここで重要なのは、死の「穢れ」というのは故人や遺族が汚れているという意味ではありません。「穢れ」は「気枯れ」のことで、「気」が枯れてしまった状態だということです。

この「気」とは、元気や気合の意味合いの「気」で、生命エネルギーみないなものをイメージしてください。亡くなった本人は生命エネルギーが無くなっていますし、遺族も悲しみや寂しさなどでエネルギーが枯渇しているわけです。

こういう状態を「穢れている(=気枯れている)」と考えられていて、こういうときには神様に接しないようにするのです。神社の境内の中に穢れを持ち込んではいけないのです。

スポンサードリンク

忌が明けたあとの喪中なら初詣はした方がいい

忌が明けても「喪中」の間は、喪に服す期間ですから派手なお祝いや慶事(結婚など)は、なるべく控えるようにした方がいいです。ただし神社の参拝は神様へのご挨拶ですから「喪中」でも問題ありません。

初詣も神様への新年のご挨拶ですので問題ありません。むしろ神社の神主さんからすると、忌が明けているなら、新年の挨拶はきちんとするべきと考えられているのです。

もし忌中の間に新年を迎えてしまう場合は、忌が明けたら神社にお参りして、神様に新年の挨拶をするべきで、1年間(=喪中の期間)参拝をやめるということじゃないのです。

ちなみにですが、忌が明けていれば初詣だけでなく、七五三やお宮参り、厄除け、安産祈願なども問題ありません。

お寺なら忌中でも初詣は問題ない

お寺の場合は、「忌中だから参拝してはいけない」ということはありません。

お寺に参拝するのは故人や先祖さまへの挨拶なので、お寺なら忌中でも喪中でも初詣は問題になりません。

さらに浄土真宗なら、そもそも喪という考え自体がありません。

喪中のお正月はどうするか?

お正月というのは年神様を迎え新年を祝う行事です。

年神様は神社の神様と同じで、忌中の場合は接することを控えます。

このため身内の方が亡くなったら、忌中の間は神棚に白い紙をかけて年神様が来れないようにしておきます。同様に門松やしめ縄など年神様を迎えるための正月飾りも飾りません。

おせち料理もお屠蘇も祝箸も無しです。そもそも故人が亡くなって50日も経っていないのですから、おせちな気持ちにはなれないと思います。

そして忌が明けたら神棚からかけていた白い紙を外して、神棚にお参りを再開します。

新年を迎える前に忌が明けているなら、普段通り年神様を迎えることができます。ただ喪の期間ですから、普段よりは控えめなお正月を過ごされた方がいいのでしょう。

ただ一般的には、喪中の間はお正月をやらない感覚の方も多いです。

家の外に飾る門松やしめ縄なども、忌が明けていれば飾ってもいいのですが、近所の方の目が気になるなら飾るのは控えた方がいいかもしれませんね。

まとめ

ここで説明したのは、神社の神主さんの視点です(神道の考え)。ですので、一般的に広まっている喪中の考えとはギャップがありますよね。

初詣なら自分の考え次第で忌が明けていれば「行こう」ってできますが、年始回りなどは相手があることです。

伺う相手の喪中に対する考えもありますから、こういう場合は一般的な考えに合わせておいた方が無難なのかもしれませんね。

スポンサードリンク