家族が亡くなって初めてのお盆を「初盆(はつぼん)」または「新盆(にいぼん)」と言いますね。
初盆は故人があちらに行ってから初めて帰ってきます。
そこで家族・親族だけでなく、故人の知人や友人も呼んで盛大にお迎えします。
初盆ということで、お盆飾りも初めてではないでしょうか?
ここでは、初盆の飾り方について紹介します。
なお、亡くなった後四十九日の法要が終わる前にお盆が来る場合、初盆は翌年となります。
初盆 精霊棚を作るなら飾り方はどうする?
親戚の家などのお盆へ行かれたことがあればなんとなく記憶があるようで、でもいざ自分で盆飾りをしようと思うとわからないことばかりですよね。
お盆飾りは、あちらから帰ってきた故人の霊をお迎えするための飾りです。
その中心が盆棚と呼ばれれる精霊棚です。
故人が帰ってくるのは、仏壇ではなくこの盆棚になります。
盆棚を本格的に飾るのであれば、2~3段の祭壇を用意し真菰を敷きます。
祭壇の四隅に葉の付いた青竹をくくり付け、竹の上の方にしめ縄を張っておきます。
この青竹で囲まれたしめ縄が結界になると言われています。
位牌の裏側にあたるしめ縄には、素麺や昆布、ほおずきをぶら下げておきます。
祭壇の上には、お位牌、お供え物、個人の好物などをお供えします。
また、供養膳に霊供膳もお供えします。
お供え物には以下のようなものをお供えします。
- 生花
- なすの牛・きゅうりの馬
- 水の子
なすやきゅうりをサイの目に刻んで、洗った水と一緒に蓮の葉に盛ります(清水を満たした器に入れる場合もあります) - 束ねたみそはぎの花を入れた閼伽水の器
- 夏の野菜や果物・故人の好物だったもの
そして盆棚を中心にして盆提灯を飾っていきます。
盆提灯は、故人の冥福を祈り感謝の気持ちを込めた供養を表すものであると同時に、故人の霊が迷わず帰ってこれるようにするための大事な目印の役割を果たします。
通常の盆提灯は絵入りのものになりますが、初盆には白提灯も飾ります。
この白提灯は、初めて帰ってくる故人の霊が迷わないようにするための特別な目印の提灯です。
白提灯を使うのは初盆のときだけですので、お盆が終わったら燃やして処分します。
ただ、今はなかなか全部燃やして処分するのは難しいので、火袋を少しだけ燃やして形だけお焚き上げをした後、火がしっかり消えてから新聞紙などに包んでゴミと処分することも多いようです。
盆提灯の準備は、故人の兄弟や親戚の方がお盆の飾り付けに合わせて贈ることになっています。
ただ白提灯は個人の家族が用意することが多いよです。
盆棚を飾るために必要なものは、仏具店やホームセンターで購入することができます。
初盆 仏壇の周りだけで済ます場合の飾り方は?
住宅事情により大きな精霊棚を置くことができない場合はどのようにしたら良いでしょう?
この場合は、高さの低いテーブルや机を仏壇の前に置いて、精霊棚として使いましょう。
用意したテーブルや机に真菰を敷きます。
サイズに合う真菰が無い場合は、白い布を敷きます。
このテーブル/机の上に、奥からお位牌、生花、そして広さに応じたお供えものを飾ります。
また、提灯も1つ、または1対はあった方がいいかもしれませんね。
ただ兄弟や親戚の方からめいめいに提灯を頂いてしまうと、全ての提灯を置く場所がなくて困ってしまいます。
こういう場合は、提灯代として現金を頂いて、家族の方が盆飾りと一緒に提灯を用意した方がいいでしょう。
故人の霊を迎えるという気持ちが込められていれば、精霊棚の大きさや提灯の数は関係ないものです。
スペースがないのであれば、スペースがないなりに心を込めてお盆の準備をしてお迎えすればきっと喜んでもらえると思います。
初盆のお供え物 花はどう飾る?
お供えの花はどう選べばよいのでしょう?
バラのようなトゲとある花や香りの強い花は避けた方がいいとされています。
よく使われるのは菊系の花ですね。
菊は邪気を払うといわれていることからのようです。
ですが実際のところは、この花を使わなければいけないというのはありません。
しいて言うなら故人の好きな花、または好きそうな花をお供えすることでしょうか。
もし故人がバラを好きだったのであれば、バラをお供えしてあげた方がいいように思います。
同様にお供えする野菜やお菓子も故人の好きだったものをぜひお供えしてあげましょう。
また、お盆の期間にずっとお供えしておくことができる、日持ちがするお菓子や缶詰などもいいと思います。
お供えした果物やお菓子は、下げてからみなさんで頂きましょう。
さいごに/まとめ
お位牌を仏壇から盆棚へ出した後、仏壇の扉を開けたままにするのか、閉めるのか、どちらだと思いますか?
実はこれはお寺や地域によって異なるようです。
仏壇の扉以外にも、お盆のしきたりはお寺や地域によって細かい違いがたくさんあります。
初盆の準備をする際には、お寺やその地域のしきたりを確認した方がいいかもしれませんね。