尾瀬は、豊かな自然を満喫できるハイキングエリアとして人気があります。
特に高山植物の宝庫であり、たくさんの花を楽しむことができます。
尾瀬で特に有名な花は水芭蕉、そしてニッコウキスゲです。
山岳ハイク初心者の方が尾瀬デビューをするには、ニッコウキスゲ観に行くのがお勧めなのをご存じですか?
ここでは山岳ハイク初心者の方が、尾瀬でニッコウキスゲを観に行くハイキングについて紹介します。
【目次】
尾瀬のハイキングでニッコウキスゲを観るならいつ?
尾瀬のパンフレットなどに登場する大江湿原一面のニッコウキスゲの大群生を観ることができるのは、例年7月中旬から末の間の2週間の間です。
ニッコウキスゲは朝に開花して夕方にはしぼんでしまう一日花なのですが、1株に7つほどのツボミをつけ7日かけて花を咲かせます。
例年7月上旬から開花する株が出始めて、見頃になるのは中旬からになります。
大江湿原であれば、満開までいかなくても6~8分咲きで山吹色の絨毯のような大群生を目の当たりにすることができます。
また大江湿原より密度が少ないですが、尾瀬ヶ原の山ノ鼻から見晴十字までの間もいたる所に群生しています。
群生しているエリアの大きさは尾瀬ヶ原の方が大きく、見頃の時期には行けども行けどもニッコウキスゲが続きます。
ただし尾瀬ヶ原は大江湿原より標高が200m低いため、花の開花は約1週間程度早まります。
ニッコウキスゲの咲き具合は、年によってかなり差があります。
2015年は当たりの年という噂も…。
■山岳ハイク初心者向けの時期・コースにあるニッコウキスゲ
ニッコウキスゲの咲くころは梅雨も明けてくる頃で気候も良くなり、ハイキング初心者の方の負荷が低くなるシーズンでもあります。
また、大江湿原や尾瀬ヶ原は難易度の低いハイキングコースで行くことができます。
こうした点が、山岳ハイク初心者の方が尾瀬デビューするのに適しています。
大江湿原は、福島県の沼山峠から入り尾瀬沼へ向かうコースの途中です。
(尾瀬沼ビジターセンター【楽天たびノート】)
尾瀬ヶ原は、群馬県の鳩待峠から入り山の鼻を抜けると尾瀬ヶ原です。
山の鼻から見晴十字路までニッコウキスゲは群生していますが、初心者の方の日帰りコースならばヨッピ吊橋をまわって竜宮十字路から山の鼻へ戻るコースがいいでしょう。
尾瀬のハイキング 初心者の装備は?
尾瀬のハイキングは比較的初心者向けだとよく言われますが、標高1,400mの立派な山岳ハイキングです。
割と高低差が少な目で、木道が整備されていて歩きやすくなっていることが初心者向けと言われる理由ですが、同じ時期の東京よりも10℃低くなります。
一方で標高が高いため夏の日差しは強くなります。
さらに2,000m級の山に囲まれていて、天気も変わりやすいです。
このように山岳ハイクだということをしっかり念頭において準備をすることが大切です。
条件の良い時であれば平地のような軽装でも問題ありませんが、どのようなコンディションになるかはその時になるまでわかりません。
条件が悪い時でも対応できるように必要なものを揃えましょう。
靴
トレッキングシューズの足首まであるものを用意しましょう。
山登りをしないうちは、柔らか目の方が歩きやすいです。
加えて防水加工してあるものは、雨が降っても足が濡れずに済みます。値段は高くなりますが防水加工されているトレッキングシューズがお勧めです。
シャツ・パンツ
シャツ・パンツとも綿素材のものは避け、速乾性のある素材を選びましょう。
特にジーパンなどの綿のズボンは生地が固めで、濡れるとかなり重たくなり疲労が溜まりやすいです。
また濡れたままのシャツでは夏でも低体温になる危険もあります。
服装選びで疲労度や危険性が変わってきます。
登山メーカーの高価なものである必要はありません。ユニクロやg.u.などの手頃な価格のもので十分です。
レインウェア
山の天気に確実はありません。天気予報の降水確率が0%でもレインウェアは持っていく必要があります。
また初心者ほど性能の高いレインウェアを持った方がいいです。
慣れない雨天の中で少しでも動きやすく、コンディションを良い状態に保ってくれます。
少々値段は高いですが、ゴアテックのセパレートタイプのものがおすすめです。
ザック
尾瀬では両手は開けておくことが基本です。
腰ベルトが付いているザックの方が疲れにくいです。
日帰りであれば30L程度でも十分ですが、お土産などを入れて帰ることを考えると少し大きめの40L程度の方がいいと思います。
また、雨の時用にザックカバーも必要です。
ショルダーバッグや斜めかけバッグはバランスが悪く疲労の元になりますのでやめましょう。
帽子
熱中症予防のため帽子は必ずかぶるようにしましょう。
尾瀬ヶ原や大江湿原には木陰がありません。
また、風で飛ばされないようにひも付きの帽子や帽子止めのキャップクリップなどを使いましょう。
その他必要なもの
・サングラス(強い日差しから目を守るため)
・手袋(軍手で十分)
・100円玉10枚程度(トイレのチップ用)
・ヘッドランプ(日が暮れると真っ暗になります、万が一のために)
■あると便利なもの
・ジップロック
・スマホの充電器
・植物図鑑…【おススメ】尾瀬植物手帳 (大人の遠足BOOK)
・伸縮性テープ(キネシオテープ)
・マップや地形図…【おススメ】山と高原地図 尾瀬 燧ヶ岳・至仏山・会津駒ヶ岳 2017 (登山地図 | マップル)
・空のペットボトル
尾瀬ハイキングのマナーやルールは?
尾瀬には、尾瀬の自然を保護するために守るべきルールやマナーがあります。
事前に覚えておきましょう。
■木道以外は立ち入り禁止
尾瀬の湿地に入ることは禁止されています。
木道以外に立ち入ってはいけません。
尾瀬にある木道は、歩きやすいようにあるのではなく、湿原に人が入らないためにあるものです。
■動植物は持ち帰らない
尾瀬の生態系保護のために枯葉一枚すら持ち帰らないのがルールです。
■ペットは連れてこない
こちらも尾瀬の生態系保護のために、外部からの動植物を入れないようにします。
また入山口には靴の土を落とすマットがあります。
ここでしっかり土を落とし、外部の種子が尾瀬の中に入らないようにします。
■右側通行
尾瀬の木道は右側通行です。
■ゴミは全て持ち帰り
尾瀬にはゴミ箱がありません。
外部から持ち込んだものは全て持ち帰るのが尾瀬のルールです。
■トイレはチップ制
尾瀬の公衆トイレは水洗トイレですが、これを維持するために費用がかかります。
この費用を補助するため、尾瀬のトイレはチップ制になっています。
1回利用するごとに100円程度、協力しましょう。
■その他
尾瀬は携帯電話のエリア外です。
尾瀬に入ったら携帯電話・スマホの電源をオフにするか、機内モードにしておかないと無駄に電池を消耗してしまいます。
【尾瀬の役立ちリンク】
尾瀬のハイキングルートや尾瀬の自然について、その他尾瀬に関する様々な最新情報があります。
財団法人 尾瀬保護財団
尾瀬 ハイキングマニュアル
尾瀬花ナビ
さいごに
ここでは山岳ハイク初心者の尾瀬デビューに向けた日帰りハイキングを主な対象にしています。
尾瀬に慣れてきたら、山小屋に泊まった1泊ハイクをお勧めします。
山小屋に泊まることで、更に奥まで入ることができたり、夜空の星を観る・早朝の尾瀬を体感するなど普段味わえない非日常を満喫することができます。
尾瀬の山小屋は、いろいろと制限はあるものの一般的にイメージされる山小屋よりもだいぶ快適です。
ぜひ、山小屋での宿泊ハイクにも挑戦してみてくださいね。