インフルエンザの予防には手洗いうがいとマスクと言われますが、実はマスクの有効性には賛否両論あるようです。
たしかにマスクでウィルスそのものを遮断するのは難しそうです。
それでもマスクを上手く使えばインフルエンザに感染するのを予防できる可能性は高くできそうです。
そんなマスクの使い方について紹介します。
マスクの網目とインフルエンザウィルス
マスクがインフルエンザ予防に有効性がない、という意見の大半はマスクをしていてもウィルスは通過するというものです。
通常販売されている一般的な不織布マスクの網目は、約5マイクロメートル。一方、インフルエンザウイルス自体の大きさは約0.1マイクロメートル。インフルエンザウィルスをピンポン玉だとすると、マスクの網目は2m四方の正方形くらいになります。これではインフルエンザウィルスをマスクで遮断するのは無理、というのもわかります。
マスクの有効性を唱えている方々もこの点を否定していません。
それでもマスクにはインフルエンザを予防する効果があると言っているようです。
マスクの予防効果は保温・保湿にある
インフルエンザが冬に流行する理由は以下の2つあると言われています。
一つ目は、冬になると気温・湿度ともに低くなりインフルエンザウィルスの活動が活発になりやすいこと。
二つ目は、人間の喉の粘膜が乾燥してしまうとウィルスに感染しやすくなるということ。
マスクをすることで、マスクの内側の気温と湿度は高くなり、インフルエンザに感染しやすい状態を改善してくれると言われています。
インフルエンザウィルスは、気温が10度以上あり湿度が50~60%以上ある環境だと存在しにくくなります。マスクの内側はまさにこのような環境になり、ウィルスの活動を抑えることができます。
また人間の喉にある粘膜は、乾燥すると繊毛活動が低下してしまい異物を外に排出する能力が低下します。また粘膜にある免疫細胞も、粘膜が乾燥してしまっては十分働けません。
マスクをすることによって、喉の粘膜の湿度がが高くなり、繊毛活動や免疫細胞がしっかり働くようになるのでインフルエンザに感染しにくくなります。
この保温保湿効果がインフルエンザの予防に役立つ、というのがマスクの有効性を唱えている方々の考えです。
ただし扱い方を誤るともろ刃の剣に
マスクには間接的にインフルエンザウィルスとの接触を避ける役割もあります。
感染した人から飛び散る飛沫の中にウィルスは含まれていますが、飛沫自体はマスクの網目よりもたいへん大きなものです。つまり、マスクをしていることで、感染者の飛沫を直接吸い込むことは避けられます。
また、感染者が触ったドアノブなどを触ってしまいウィルスが手に付着することがあります。マスクをしていると、このウィルスが付着した手で鼻や口を直接触る機会を減らすことができます。
一方で、外出から帰ったマスクの外側にはインフルエンザウィルスが付着している可能性が高く、マスクを外す時や処分するときの扱い方を誤ると、逆にインフルエンザに感染してしまうことも考えられます。
マスクを処分する際は、まず密閉してウィルスが飛び散らないようにしてから捨てる必要があります。またウィルスを処分したらすぐに石鹸で手洗いをして手に着いたウィルスを洗い流します。
まとめ
マスクをしていることでインフルエンザに感染する可能性を低くすることができそうですが、扱い方を間違えると逆に感染してしまうことになりかねません。
安易にマスクの付け外しをすると、手にウィルスが付いた状態になってしまうことに注意が必要ですね。
外でつけていたマスクはウィルスで汚れているものとして密閉して処分して、何も触らないうちに手洗いをしてしまいましょう。